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核発電はよその国で 16年前に脱原発のイタリア エゴとの批判も

Yukari Saito
Fonte: Nikkan Berita - 20 luglio 2003

 

Energia solare? grazie!

 イタリアの下院は16日、エネルギー政策の一環として、国内の電力会社に国外で原子力発電所を建設、購入、運営する道を開く新法を可決した。新たに可能となる事業のなかには、他国企業との共同経営も含まれる。

 イタリアは、1987年11月の国民投票で脱原発を決定したが、現在は国内消費電力の約14%を原子力発電の依存度が高いフランスなどからの輸入に頼っており、核エネルギーと無縁とは言えない状況にある。

 新法の背景には、ルーマニアでの原子力発電所建設に食指を動かしている伊企業や、イタリアの電力会社エーネルとチェコの原子力発電所とのジョイントベンチャー計画などがある。それらの国で作られたエネルギーのイタリアへの輸入に道を開くのが狙いらしい。

 今年のイタリアは、異例の猛暑と少雨のために、エネルギー消費量が急増中。ことに北イタリアでは、減少の一途をたどる水資源の用途をめぐり、水力発電所の運転をストップして灌漑にまわすか、それとも農作物の収穫を断念するかの選択を迫られ、原発再考を望む世論すら高まりかねない状況にある。

 だが、現実には、自由化と民営化の進むこの国で、新たな原子力発電所の建設は採算があわないことから、環境に対する関心の薄いイタリア政府も原発建設の再検討は行っていない。そこで浮上したのが、国外からの核電力の輸入増大という、「安易でエゴイスティック」とも批判されている解決策だ。

 新法成立にあたり、左派野党、環境保護団体は、国民の意思を裏切る決定と一斉に反発。

 一方、原発に反対するイタリア市民に残された対抗手段は、最近、欧州議会で導入が決定された電気料金請求書にエネルギー源を表示する義務。それを手がかりに電力会社を選ぶことで、抵抗を示すことができる可能性もある。

 イタリアの電力はフランスなどからの輸入が14%のほかは、火力発電69%、水力16%、地熱4,5%、再生可能エネルギー1%となっている。



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